青の美術史 (isの本)

青の美術史 (isの本)

青の美術史
・地火水空→黄赤白黒、青→「古代の深い夜=死」
ラピス・ラズリ=ウルトラマリン・ブルーは1827年、コバルト・ブルーは1804年に化学合成法が発明される。この化学合成顔料の登場で現代絵画の嚆矢となる印象派(絵画革命)が興る。
・日本語で色の基本形容詞は「あか・おあ・しろ・くろ」の4色で、他はモノの名から派生している。古代においての基本4色は「色」というより明るさの状態を示す言葉だった。明・漠・顕・暗→あか・おあ・しろ・くろ
・西欧語のブルーは低ラテン語の「blavus」に遡るが正確な起源は不明、しかし、「青ざめた、白っぽい、鉛色の」と言う様な「顔色や肌の状態」についてではないかと推測されている。
・マンリオ・プルサティン「色彩の歴史」:白・黒→赤・(緑ー黄 あるいは 黄ー緑)→青→マロン→赤紫・ピンク・オレンジ・灰色
・(可視光領域)電磁波の連続的な帯のほんの一部が、鮮やかに色分けされるのは殆ど奇跡である。
バウハウスで教えたヨハネス・イッテンの12色による色彩円環
アルバート・マンセルの10色からなる「マンセルの色相円」
・ラピス・ラズリが手に入らない文化では青色が欠如した。
・「ギリシャ人の(文化的?)色盲」:ニーチェは「曙光」の断章のひとつで「ギリシャ人は青と緑に関して色盲で、青の替わりに濃茶、緑の替わりに黄色を見ていた。彼らの世界は黒・白・赤・黄からなっていて青と緑は見えなかった」
ギリシャ・ローマ文化で至高の色は「緋」で藍染は辺境文化の野蛮な色だったが、コロッセオで競技者を応援する為の「識別子」として全ての色が動員されたことと、キリスト教の「天の王国」を示す色として「青」が現れた。
ラピスラズリは油で練ると透明になる光学特性を持つ、15世紀に油絵が興隆するとその役目を終える。