偽りの大化改新 (講談社現代新書)

偽りの大化改新 (講談社現代新書)

偽りの大化改新
六つの疑点
1)中大兄は身を危険にさらしてまで蘇我入鹿を殺害したのに何故自分が即位しないのか
2)中大兄の母である皇極帝が退位してまで孝徳に譲位した理由
3)軽王子=孝徳が大王に選ばれた理由
4)中大兄は王族として血のケガレを嫌う立場なのになぜ自ら殺害に加わったのか
5)蘇我の同族「倉山田石川麻呂」はなぜ加担したのか
6)乙巳の変大化改新大海人皇子=天武は何をしていたのか

・クーデター(入鹿殺害)の首謀者を中大兄から「軽王子=孝徳天皇」に置き換えると一気に解決する。中大兄には積極的に関与をする理由が全く無い、中大兄は皇位を自分の母である皇極帝から譲位されれば危険は無いからだが、「軽王子=孝徳天皇」には十分過ぎるほどにある。
・「石川麻呂」が中大兄殺害の容疑の陳述と「古人大兄」が服従を示す相手は共に「軽王子=孝徳天皇」であるが、弁明・恭順を示すなら本来の実力者(である筈)の「中大兄」でなければおかしい。
・中大兄の母が皇極・斉名と重祚した理由は息子の中大兄が「皇太子」では無かったことに尽きる。
・古代において朝廷は「大王」に裁断権はあるものの、豪族達の合議制(大臣・大連制)で運営されており、「大兄・皇太子」が政策を実行できる権限を得られた事実は在り得ない。また、摂関政治期でも実権を掌握したのは「上皇」であり皇太子は無い。「厩戸王子と中大兄」の2例には真実味が全く無い。
・中大兄は「軽王子=孝徳天皇」に殺害された古人大兄の娘倭姫王を正后としている。→恐らく優しい人物
中臣鎌足は中大兄の御学友であり、この事件に関与できる身分・立場にはない。
・「日本書紀」で主語が省略されるときの語は[天皇]である。孝徳記で主語の省略は「孝徳」天皇を指している。「石川麻呂」、「古人大兄」を葬る指令は「孝徳」が出している。彼は傀儡では無い。

http://www4.plala.or.jp/kawa-k/kyoukasyo/1-12.htm
*ウノノサララ中心モードもあるのか?