脳はなぜ「心」を作ったのか―「私」の謎を解く受動意識仮説

脳はなぜ「心」を作ったのか―「私」の謎を解く受動意識仮説

脳はなぜ「心」を作ったのか―「私」の謎を解く受動意識仮説
ヒトとロボットの心の研究

・意識はエピソード記憶の為にある
・<私>の正体は無個性なクオリアの錯覚
・もし脳が外界や運動器官の順モデルや逆モデルを学習によって獲得できるなら、脳の1部がそれ以外の脳のある部位の順モデルや逆モデルを提供する方が簡単、意識とは無意識下で生じている膨大な並列計算を単純化された嘘の直列演算(脳の他の部位のモデル)で近似すること『脳の計算理論』川人
・脳は時間の辻褄も合わせる p84:光や音が受容器から信号として脳に到達する速さは光が網膜から第一次視覚野まで0.05秒、音が鼓膜から第一次聴覚野まで0.02秒、と「音」の方が早い。しかし、光と音を同時に受けたときには同時か「光」の到着を先に感じるようにヒトは出来ている。また、脳磁気刺激法で脳内映像情報の取得・処理を妨害して人工的に映像を「欠落」させるとこの盲点には妨害前ではなく妨害後(未来)の映像が見える。
・UCSFリベットの実験(1983年):無意識下の運動準備電位は意識が意図するより0.35秒早かった。哲学者サールは「それが事実なら、宇宙最大の冗談に違いない」とまで言った(『脳と意識の地形図』)が、追試に例外は無かった。
・断食で脳を栄養不良の状態にして神秘体験ができるなら、神・霊魂などは脳の外部に無くても良い。
・脳(ニューラルネットワーク)は1秒間に数百回の演算しか出来ないが、1千億個の(ニューロン)素子が同時に計算する超並列計算機。ー「任意の非線形演算を行える万能機械」
・運動のやり方を覚える「内部モデル」は小脳にある。

川人光男、茂木健一郎永井均「子供のための哲学」、苧阪直行「意識とは何か」、ペンローズ「皇帝の新しい心」、ペンフィールド「脳と心の正体」、澤口俊之「私は脳のどこにいるのか」

・意識に拒否権はあるのだろうか?↓
http://d.hatena.ne.jp/charis/20050203