ヨセフス研究I−ヨセフスとユダヤ戦争
マサダの集団自決は「シカリオイ」か「ゼロータイ」のどちらか一方なのか混成なのか解らないが「同胞の殺害略奪」に対する「ならず者の最後」で因果応報の当然の報いとするのがヨセフスの主張、とにかく強烈に憎悪している。
英雄的行為と捉えるのは当時のヘレニズム文化圏の人で、ヘレニズム諸都市の市民は敵に奪われるくらいならと妻・子供を自らの手で殺めて奴隷・財産を棄却損壊する自決話が「大好き」なのである。

*メシア騒動:ヘロデの死後(イエスの生誕年とされる頃)メシア待望が大爆発、メシア乱立
・神殿の鷲事件でヘロデに処刑された「2人の賢人」の信仰者が騒ぎを扇動。
・イドマヤではヘロデ王の古参兵2000人が蜂起亡き王の従弟アキアポスの軍に立ち向かう。
ガリラヤのセポリスでは「ヒゼキアの子ユダス」が叛乱を起こす。ガリラヤ人ユダスと同一人物ならヘロデが知事時代に処刑した「盗賊の首領(ヒゼキア)」の息子。→「第4の哲学」(戦記1・204、256)
ペレアでヘロデの元奴隷または官吏の「シモン」の叛乱
・「羊飼い」の「アスロンガイオス」とその「4人兄弟」も蜂起?(戦記2・55-65)
ガリラヤ人「ユダス」(写本によってガマラのユダス)と彼を補佐するパリサイ人「サドク」は皇帝命令=財産調査に対する反対運動を扇動した。(古志18・6-7)
・モーゼが埋めた神殿の聖なる什器を見せると約束し信徒をゲリジム山に引き連れた「サマリヤの預言者」(古志18・85-87)
・後56年「エジプトの偽預言者」はユダヤ人をオリブ山に連れて行き、自分の言葉で「エルサレムの城壁を打ち崩し」聖なる都に超自然的な解放をもたらすと断言した。(古志20・172〜)

*要再読