火器の誕生とヨーロッパの戦争作者: バート・S.ホール,Bert S. Hall,市場泰男出版社/メーカー: 平凡社発売日: 1999/11/01メディア: 単行本 クリック: 67回この商品を含むブログ (6件) を見る

登場人物
焼夷兵器=ギリシャ火(火炎放射器) 飛び道具=弩(クロスボウ)、長弓、 白兵=槍、斧槍(ハリベルト) 投石器=索引式投石器、釣合錘式投石器 銃砲=アルケブス、マスケット
フス派の車両要塞
傭兵=スイスのパイクマン、ドイツのハリベルト兵
スタッフ
マグヌス効果、滑腔砲身、火縄式点火、燧石式点火、歯輪式点火

1815年ワーテルロー戦のイギリス歩兵の斉射時の掛声は「ねらえ」でなく「水平に構えよ」だった。この意味するところは選定された標的に命中させることは期待されていなかったためである。

”エンジン=兵器”の意味で使われる言葉だと知ります。
騎士(重装甲騎兵)は白兵戦がお好き=身代金目当ての捕虜捕獲が従軍動機である為。

欧州の戦場から騎士を駆逐したのは”銃砲”である漠然と思い込んでおります。
しかし、銃砲が登場して300年以上経ても戦場での中心戦力は騎士であり続けた。
丸石や鉄球を飛ばす臼砲は攻城戦で威力を発揮し、主戦場を野戦へと変えたが、施錠(ライフル)なしの先込式火縄銃(アルケブス)は殺傷能力が劣り、銃剣の採用まで銃兵は単独では野戦展開できなかったのである。
銃砲は施錠火器&フリントロックの登場まで歩兵の主戦兵器にはならなかったし、土塁・柵を工作して且つ”槍兵”と共同しない限り野戦で重装甲騎兵の突撃を阻止することはできなかった。ましてや重装甲騎兵に対し攻勢に転じることも無かった。
歯輪点火式短銃を携えたピストル騎兵(竜騎兵)が重装甲騎兵を戦場から駆逐したのである。

新大陸からもたらされた金銀が欧州に深刻なインフレをもたらし物価上昇で食うに困った平民の兵隊志願者が大量に創出されたため、その後の大量動員を引き起こす。