日本語はいかにつくられたか? (ちくま学芸文庫)

日本語はいかにつくられたか? (ちくま学芸文庫)

・応神朝が欲しかったのは「漢字」では無く「文献(論語千字文)」と「語学力(教師=王仁)」で継体朝以後の「五経博士」の肩書きが意味するところは「儒教の先生」。
・漢字を利用して日本文を書く最初の試みは安万侶の「古事記
稗田阿礼の「誦習」は語部として神話や歌謡を単に空で口誦暗誦できたのではなく、「帝記・旧辞」の読み方を暗誦できたのである。即ち筆録文献を中心とする「読誦」の意である。
・安万侶は「古事記」を4ヶ月で書いたが、本居宣長は「古事記伝」を1974年に書き初めて1998年に脱稿している(35年)、「古事記(日本思想大系1)」の訓読を担当した小林芳規はその作業に14年をかけている。
平安時代初期に「平仮名」が生まれた時に日本語の書き言葉が成立した。その産室は「消息(しょうそこ)=手紙」で早い話が男女の間で交わされたラブレターに付き物の「和歌」。
・陀羅尼(サンスクリット語を漢字で音写)→万葉仮名(陀羅尼の影響大、一致が多い)→草仮名(草体化した万葉仮名、漢字と平仮名の中間)