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歴史的犯罪の首謀者たち#10:300万ドルの馬券詐欺

クリス・ハーンはデラウェア州にある「馬券の販売、配当の支払い」業務を引き受ける会社のシステム部門に勤務していた。
換金されない当たり馬券のデータファイルを不正アクセス国税庁が興味を示さない1500ドル以下の配当未払いデータからテスト馬券を作るシステムで複製した馬券を学生時代の友人グレン・ダシルバに持たせて8万ドルを換金した。
一攫千金を目論んでブリーダーズカップの6重勝(6レースで全ての勝馬を当てる)の詐欺を計画する。
(通信トラフィックの緩和の為か?)最初の4レース終了で投票が締め切られて投票データが各地の場外馬券売場のデータ集積機からセンターの配当システムに届くまでの30分の隙間に1〜4レースまでの投票データを勝ち馬に書き換えて残りの5、6レースは全馬券を買って「ピックシックス」必勝を期し予想配当100万ドルを得る予定だった。
恐らく、馬券購入資金の調達も兼ねて試験的にピック・フォー(4重勝)でダシルバの口座に10万ドルを得てから、2002年10月24日に馬券購入名義人に友人デレク・デイビスを立て本計画を実行する。
しかし、4レースで「43倍」の大穴馬ボルポーニが勝ち配当が300万ドルとなる予想外の結果が出て計画に狂いが生じた。
順当に本命対抗馬が勝っていれば疑われなかった筈が、大穴を兼ての6重勝だった為、不正レースの嫌疑が罹ってしまいに馬券を買ったデイビスが容疑者となる。
ハーンは投票データの書き換えには慎重を期して一切の痕跡は残さなかったが、社内調査で事件当日に出社していたことが従業員の証言で判明すると、非勤務日の出社理由に答えることが出来ずに解雇されたハーンも捜査の対象となる。
学生時代のクラブ名簿からハーンとデイビスの関連が解って2人の通話記録までは隠し切れぬ証拠の存在に観念したハーンは自白、捜査に協力したので詐欺罪で服役1年1日、デイビスとダシルバは2年だった。
・大穴が仇となった珍しいケースである。