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印度の乞食牛は牡と思っている人が多いが実は牝が殆どである。
牡牛は零細農家では耕運機であるので大事にされる。北印度の平原では牡牝の比が100対47、西パキスタン100対60、受胎率は牝牡で均衡している筈であるからこれはおかしい、実は成牛までに間引かれている。
成牛になってからも大変で、牝は餌など滅多に貰えない。皆、この事情をわきまえているので、貧しい農民の所有する牝牛が街中などで窃盗や、残飯漁りをするのを容認する。これがアムヒサ=牝牛敬愛と云われる実態で、聖牛=乞食牛なのである。
牛から生産された有用熱量をその牛が消費した全熱量で割った熱効率では西ベンガル・シングールの牛で17%、欧米の牧草地では4%未満、印度の牛が生産性が高い訳ではないが、排泄物等使える物は無駄無く使うのでその分効率が良い。
不要な牛を処分しろという意見があるが、これらの牛が消費する1年間のエネルギー総量は日本か米国の自動車が消費するエネルギーの1日分にも満たない。