http://www.asahi-net.or.jp/~bh3h-smjy/zuiso/nikki/index.htm
 狐が驢馬のところにでかけていった。
「実はお寿司を注文しすぎちゃって余ったんですが、半額でどうです? おたくの鉄筋はだいぶいたんでますね。お安くリフォームしませんか? 竿竹、二十年前の値段でけっこうですよ。ラピスラズリのパワーであなたもモテモテですよ。メタルサーガ、じゅうぶんテストしてバグ取りもして作りました」
 しかし驢馬は動じなかった。
「おら、馬鹿だからよくわかんね」
 つぎに狐は、年老いて孤独になった駱駝のところに行った。駱駝は自分のような老人に親身になってくれるものがいることに驚き、長々しい愚痴を我慢して聞いてくれることに喜び、たちまち狐のすべての契約にサインしたのみならず、ソニー損保の自動車保険と豆腐が腐らないという分子構造の違う水の特許にもひとくち乗ってくれた。
 教訓。ビクトリア朝ロンドンの時代から、詐欺師がカモにしているのはバカではなく孤独な人であります。ちなみにビクトリア朝ロンドンを舞台にした某アニメの「メイドに恋をしてはいけない時代がありました」というのも嘘で、「メイドは、たとえ若主人様に言い寄られたとしても即刻解雇されて路頭に迷い、テムズ川に身を投げるか売春婦になるしかない時代がありました」が正解。そのうちリアリズムのエマを書いてみたいものです。