生物と進化論#7「宗教と科学」

少し昔、とある国のハイスクールの教師が生物の授業で進化論を紹介したとき初めて聞くおぞましいその内容に生徒たちは驚愕した。騒ぎを聞きつけた地元の名士がこの教師を告訴裁判の結果、教師に罰金刑が言い渡された。もう過去のことだろうってトンでもない今でも非ミッション系の大学に進学するまで”創造論”の世界観の中で育った若者は半端な数ではないのだ。
↓以下全文引用
http://www.nagaitosiya.com/a/darwin.html
3. 女が生命を左右することへの抵抗
キリスト教原理主義者たちは、アメリカでは大きな政治的影響力を持っていて、学校教育で創造論に進化論と同等の授業時間を割かせる「授業時間均等化法」を一部の州で成立させている。これ以外にも、彼らは妊娠中絶禁止運動に熱心に取り組んでいる。それは、生命の尊重という価値観からではない。もし彼らが生命を尊重しているのならば、人工中絶クリニックの医師を射殺したりはしないはずだが、実際にはこれが組織的に行われている。そして、彼らが妊娠中絶に反対するのは、進化論に反対するのと同じ論理からである。

妊娠中絶を認めるということは、胎児を産むか否かの選択権を女性に与えるということである。キリスト教原理主義者たちは、神から与えられた生命が、女の恣意的な選択で、中絶されることを許さない。同様に、彼らは、父なる神によって創造された生物の種が、母なる自然の恣意的な選択で絶滅することを許さないからこそ、自然選択に基づく進化論を否定するのである。

キリスト教原理主義者たちは、同性愛に対しても寛容ではない。進化論が人間と動物の境界をあいまいにするように、同性愛の容認は男と女の境界をあいまいにするからだ。彼らは、「家族の価値」を政治的なスローガンの一つに掲げているが、要は、父親の権威を復活し、家父長的秩序を保守するということである。

一般的に言って、キリスト教は、女性原理が自分の意志で勝手に動くことを許さない。キリスト教会が地動説を弾圧したのは、「母なる大地」が勝手に動き出すことを禁止するためだった。キリスト教原理主義者たちは、現在のブッシュ政権の強固な支持基盤であり、ネオコンの人たちが異教徒たちの勝手な動きを許さないのは、キリスト教徒にとって、異教徒と母権宗教の崇拝者とは同義的だからである。